お侍様 小劇場 extra

   “おっきな おっきな♪” 〜寵猫抄より


世間様が“夏休み”と呼ぶのは、
基本 子供たちがそうと冠された長期休暇に入る頃合いを指してのことで。
中学生や高校生、大学生なんぞが、
期末考査の関係などなどから早々と授業が休みになるのは、
まま、例外扱いにするとして。
近年出来た“海の日”という休日以降、
旧の暦で“土用”にあたる頃から、
最も暑くなる時期の通学を免除し、
その代わり、お家で計画的に過ごしなさいとする期間

 ……に 入った途端

冗談はよせという勢いで、
人死が出るほどの猛暑日が続いたのは、
どういう天の采配あってのことなんだろか。

 「思えば、冬の終わりからこっち、
  本当に気まぐれなばかりのお天気ですものね。」

 「そうさな。」

花見がずんと早まるかと思うほど暖かだったかと思や、
急に半端ではない冷え込みが戻って来。
コートやジャケットなどという冬の装備がなかなか仕舞えずで、
当家でもコタツの仕舞いどきが随分と後へ後へずれ込んだほど。

 “いやまあ、そっちへは別の要素も絡まっていましたが。”

あはは、そうでしたね。
仔猫様が“まだ”と粘ったんでしたっけ。
そこから突入した梅雨は、途轍もない豪雨を西日本へ、
一足早い夏の夕立みたいなゲリラ豪雨を関東へと突きつけ続け、
このままだとこの夏は冷夏になるんじゃあと
野菜の高騰にげんなりしたのは…いつのことやら。
いきなりのどんでん返し、
即日配達です…のノリでやってきたのがこの猛暑と来たもんで。

 「だがまあ、そもそも“土用”の時期は、
  それは強い陽射しのいい天気が何日も続くのが常。
  書物や衣類、畳なんぞを干し出すのに丁度いいとされてもおるのだし。」

そうでしたね。
梅干しの土用干しなんてのもありますし。
勘兵衛様の資料の中には、
干し出した方がよかったものとか無かったんですか? と。
そんな風に、振り向かぬまま訊いて来る敏腕秘書殿のお声へ、
今のところは無かったなぁと、
顎にたくわえたお髭を撫でつつ、
呑気なお声を返した物書きせんせえのお膝で、

 「〜〜〜〜。」
 「おや、起こしてしもうたか?」

小さな坊やが金の綿毛を乗っけた頭をよろよろと持ち上げると、
そのまま自分の周囲をキョロキョロと見回す。
朝早くに自宅を出たご一行だったので、
車でのお出掛けだとはしゃいでいたのも、最初の 30分ほどだったか。
冷房を入れちゃあいたが、
今日もなかなかのいいお天気なので、
窓からさし入る陽射しも強く。
意識せぬうち、体が温もってしまったか、
九時にもならぬうち、くうくうと熟睡していた久蔵で。
そんな仔猫さんをよそに、
七郎次がハンドルを操るセダンは軽快に走り続けて。
通勤ラッシュの方向とは微妙に逆らう走行は、
快適なペースで湾岸線へと至り。
窓越しでも潮の香りが届いたか、
後部座席で勘兵衛のお膝に ころんちょしていたおチビさん、
紅色の双眸を、まだ眠たそうに開けたそのまま
“はてな?”と小首を傾げていたのも束の間。

 「…みゃ?」

何かに気づいたそのまんま、
やや伏し目がちになると、
小さなお鼻をくんすんとしきりに鳴らしてから、
そんな自分を興味津々で見下ろして来ていた勘兵衛の、
どこか悪戯っぽい笑み見上げ、

 「みゃっ、みゃうにゃ?」

小さなお手々がしきりと島田せんせえのシャツを引っ掻く。
本気で爪立ててという引っ掻きじゃあなくて、
そのまま よいちょと立ってみたけれど、
なんか安定が悪くてのこと、
おととおととと よろめく身を、何とかしてよと言いたいようで。

 「どうかしましたか?」

さすがに振り返ってまで…とは出来ない七郎次が、
バックミラーを介して見やったそちらの様子はというと。
小さな小さなキャラメル色の毛玉、
ちりめん細工のお手玉くらいの大きさの仔猫さんが。
しきりと覚束ない動作でうんうんと伸びをしちゃあ、
小さくって頼りないお手々を、
勘兵衛のまとうシャツのみぞおち辺りへ、
えいと延ばすのが精一杯…という構図にしか見えないのがまた、

 「〜〜〜〜。////////」
 「七郎次、路肩で一旦停めた方がよくはないか?」

撫で肩が震えているのは隠しようがなく、
そのまま不自然に身悶えた末、
事故ってしまわれてはかなわないと。
日頃の彼を引き合いにし、
勘兵衛が案じてしまったのも無理のない話だったが。

 「………いえ、大丈夫です。」

鏡に映る仔猫さんを見たのが久々だったので、
ちょっと狼狽えてしまっただけ。
毎日の日々、楽しく遊んでいる五歳児ほどの姿の久蔵くんよりも、
格段に幼くて小さな、何とも頼りない仔猫の姿が、
こうも愛らしかったの、うっかり忘れていたなんてと。
それもあっての ついつい肩が震えたほど、ドキドキしてしまったけれど。
むしろその反省を噛みしめて、
気を取り直すのも素早かったらしかったのだが、

 「………みゃっ?」

勘兵衛がその手で捕まえてまではいなかったおちびさん、
二人のやり取りに加わりたかったものか、
座席からぽとんと足元へ降りると、
そのまま運転席と助手席の狭間から、お顔を出したものだから、

 「わぁっ!」
 「あ。これっ、久蔵。」

思わぬところからの声とお顔に、
ひゃあと…肘でも当てぬかと驚いた七郎次が、
危うくハンドルを躍らせかかってしまい。

 ……込み合ってはいない道だったため、
 車体の鼻先が、
 ちょろっと追い越し車線へはみ出しただけで済んだものの

 「………あ〜〜〜、びっくりした。」
 「にゃあ?」

結局、路肩へ退避して、
シートに身を埋めつつ盛大に溜息ついた七郎次であり。
そこからはドライバーも交替という、
仕切り直しと相成った、彼らだったりしたそうな。




     ◇◇◇


そんな道中を1時間半ほども費やして、彼らが辿り着いたのは、
陽にさらされて目映いほどの、
きれいな白い砂浜が延々と続く、何とも絶景な浜辺だった。
もう夏休みに入っているというのに、
浜辺に出ている人影は さしてなく。
それもそのはず、

 「こういうのも“プライベート・ビーチ”って言うんでしょうか。」
 「どうだろうな。」

ここいら一帯、実をいや、島田名義の土地なので、
堅いことを言うならば“立ち入り禁止”として、柵で囲んでもいいくらい。
ただまあ、現在の地主にあたる勘兵衛が滅多に足を運ばぬ地な上、
浜茶屋だのコンドミニアム風の民宿だの、
海水浴に要りような施設が、近所には全くない。
せめてコンビニやガソリンスタンドでもあればというそれもない。
というのが、そもそもは極秘の軍用地だったと言われており、
交通機関も近辺へは作らぬよう、
陸の孤島となるように故意に仕向けられたのもその名残り…なぞと、
もっともらしく囁かれている土地でもあって。

 「…どこまで本当かは儂も知らぬがな。」

人を寄せぬためにとばらまかれた嘘八百だったとしても、
ならばどうして人を寄せたくなかったか、
その事情が定かじゃあない以上、嘘と言い切るのも難しく。
そんな話が聞かれるその上、
自販機も水道口もない、
陽除けや目隠しになろう松林も、
防砂林だか道路との仕切りか、頼りないのがお座なりに立ってるだけで、
幹線道路から丸見えの浜辺では。
来たところで不便この上ないがため、
遠来からというお客はそうそう運ぶこともないままで。

 「商売をしようというお人がいたとしても、
  最初の投資が凄まじくかかるのでしょうね。」

小ずるいチンピラ崩れが勝手にバラックもどきのテントの浜茶屋を建て、
駅前でチラシを配りとしかかった例もない訳ではなかったらしいが、

 『その筋の本物が舎弟連れて出て来てよ。そりゃあ おっかなかったったら。』

まずは巡査が“私有地ですよ"と注意しに来て、
その数時間後にはそういう怖もての方々が、
黒塗りの大型車に分乗してやって来た…なんて話もあったりし。
そんな話が実しやかに広まっているお陰様、
ツーリングだパレードだと車で翔っておいでの若いのの間へも、
穴場だという噂さえ立たぬまま。
せいぜいご近所の住人が、
自宅から水着になったお子たちとともに、散歩がてらに来る程度というから。
とんだ宝の持ち腐れには違いないが、
人の手が一切入らぬ浜には、
四季を通して、それはいい環境がずっと保たれているのだそうで。

 「にゃっ?」

こちらは地主本人なのだから堂々としたもの。
それでも直前に、ご近所の知己へと久方ぶりのご挨拶にと立ち寄ってから、
そこで持たされたお弁当やクーラーバッグを載せ、
県道へ降りたついでに乗り換えた、
レンタカーのバンを松並木の陰へと駐車させ。
さぁさ浜遊びだよと繰り出した、島田さんご一家ご一行。
勘兵衛も七郎次も どちらかといや、
海と来れば…と矢も盾もたまらず飛び込みたくなるような世代じゃあない。
ビーチパラソルを手際よく立て、その陰へ簡易式のデッキチェアを据え、
クーラーボックスなどの荷を運ぶと、
早速のように、チェアへと腰掛けた勘兵衛に会釈し、
先に七郎次が、小さな仔猫様を抱えて波打ち際までを繰り出して。

 「ほら、久蔵。テレビで見た海だぞ?」
 「みゅ?」

吹きつける風は微妙に塩辛く、
目の前に広がるのは、ただただ大きな…青い青いお水ばかりの不思議な風景で。
ずっとずっと遠い向こうに、
ちらちらキラキラって、金の真砂みたいのが光ってて綺麗。
それを ポカンとお口を開けて眺めておれば、
七郎次が不意に すいと屈み込んだのだが。
すると、鼻先の足元へ、ザザーッと音立てて寄って来るものがある。
白かった砂、茶色に濡らして、
透明のお水が、
砂のなだらかな坂を這い上って来ては、上り切れずに戻ってくのがまた不思議。
だって誰もいないのにね。
そぉれって、こっちにお水を押してる人、誰もいないのにね。

 「みゅう……。」

その波が、音が、何度も何度も繰り返されて、
波の先っちょが寄って来ちゃあ下がってくのを、
仔猫の久蔵、真っ赤な双眸を瞬かせもせずに、じいと見つめるばかりでいたが、

 「にゃっ。」
 「んん? 降りてみる?」

七郎次の膝をお椅子の代わりにするように、
ちょこり腰掛けて見下ろしてた砂と波と。
くるんと回されての、自分の胴を抱く格好、
手摺りみたいになってたお兄さんの白い腕を、
ちょんちょんとつついた坊やだったので。
大丈夫かなぁと案じながらも、
立ち上がる仕草と同時、
そおと自分の足元近くへ立たせるように降ろしてやれば。

 「みゃあにゃvv」

波打ち際だったせいか、砂は焼けるほどという熱もなく。
湿っていたので安定もいいままに、仔猫の坊やを受け入れて。
七分パンツにサンダルばきの、七郎次の足元に立ったそのまま、
真ん丸な眸を波へと向けてた仔猫様。
数え切れないほどの何度目かにザーっと寄って来たのへと、
もうもう辛抱たまらなかったか、

 「みゃあっ!」
 「あ、久蔵?」

ぱふぱふ・とことこ、
小さな足跡のこしつつ、砂の斜面を降りてゆく。
ちょうど逃げてく波だったのを、待って待ってと手を延べて、
ちょことこ追っかけた坊やだったが。
途中で何かしら感じ取ったか、
ピタリと止まると…その場へすてんと尻餅ついた。
追ってた波が“何か用かい?”と戻って来たらしく。
だが、少しほど弱かったものか、久蔵の追いようも短かったしで、
足元へまでも届かずにまたもや退却していったので。

 「にゃっvv」

なぁんだとでも思ったか、小さな肩がかくりと落ちた。
そのまま“よいちょ”と立ち上がり、
逃げなくてもいいでしょと再び追いかけたその先から、

 「………あ。」

微笑ましいことだなぁとポケットからデジカメを取り出しつつ、
小さな坊やの波打ち際遊びを眺めていた七郎次が、
ハッとすると小走りに駆け出している。
今度は波のほうでも深く侵入して来たのへと、
キャッキャと追ってった仔猫さんが鉢合わせになってしまい、

 「にゃにゃっっ!」

わあと立ち止まった身へ容赦なく押し寄せた…といっても、
せいぜい1センチあるかないかという厚みの波ではあったが。
それでも、冷たいお水が ざぱんとかかったのへは、
ひゃあとびっくりしたらしき、背条の固まった仔猫様を。
濡れ切るすんででひょいと抱えて空中に退避させた、
七郎次お兄さんの素早かったこと。

 「みゃっみゃっ!」
 「ああほら、大丈夫だから。怖くない怖くない。」

四肢振り回してもがく坊やを、
どうどうどうと宥めつつ、その腕の中へと抱き込めれば、

 「みゃ、みゅあっ、にゃあにゅっ。」
 「んん? 怖かったかい? 久蔵には大きな波に見えたのかな?」

何せこの子は、
自分や勘兵衛からは、
こちらの膝から腰くらいまでの身長がある、
色白でするんとした四肢を持つ坊やに見えているのだが。
ホントの実体は手のひらに収まるくらいの小ささで。
よって、自分たちにはちょっとしたものでも、
彼には途轍もない大きさに見えているかも知れないわけで。
来るときもバックミラー越しに見ていたはずなのに、
それでもやはり…実際に見えてる大きさでの把握が優先されるのは致し方がない。
ああごめんね、怖かったよねと、
こちらの胸元へ抱え込み、よしよしと背中を撫でてやっておれば、

 「みゃっ、みゅ〜〜〜〜。」
 「え? 久蔵?」

小さなお手々が、どうしたものか…七郎次の胸元をえいえいと押しており。
ありゃ苦しかったかなと腕を緩めながら見下ろすと。
屈んでいての片膝立ててたそのもう一方、
すべり台のように砂地へ突いていた側のお膝へ手をついて、
ひょいと降りてっての…またぞろ波を目指す坊やだったりし。

 「みゃ〜〜〜vv」
 「あ、これ、久蔵っ。」

あわてた七郎次が、安定の悪い砂を踏みしめ、えいさと踏ん張り立ち上がり、
またまた小波に襲われかかる坊やを“大変だ〜”と捕まえて、
波の殺到から宙へと掬い上げれば、

 「にゃにゃっvv」

仔猫様の様子がどうにも妙で。
嬉しいの楽しいのという時のお声と笑顔なの、
七郎次おっ母様が見落とすはずはなく。

 「……………久蔵、もしかして。」

両手がかりで抱き上げた仔猫様と向き合えば、
はぁくはぁくとあんよを揺すぶり、
ねぇねぇ降ろしてと急かすあたりからしても間違いなかろ。
逃げる波を追っかける久蔵が、逆襲に遭ってしまったら、
七郎次がひょいと抱き上げて助けるところまでが1セット。
そういう遊び、ごっこに仕立てあげちゃった仔猫様であるらしく。

  ……スリリングなレスキューゲームがあったもんである。

よい子とよい猫は、絶対に真似しないようにね。
(苦笑)




      ◇◇◇


少々生暖かい感触の潮風と、単調な波音を繰り返す潮騒と。
目映い陽射しの中を金の綿毛を軽やかに揺らしてはしゃぎ回る、
そりゃあ愛らしい幼子を。
時折抱え上げたり、波を追うのを追っかけたりと、
そちらさまもさらさらの金の髪たなびかせ、
お元気に駆け回る七郎次であるの、
青い海を背景に、なかなかに拝めぬ眼福と、
うっとり眺めていたのもどれほどか。

 「……勘兵衛様?」

気づかぬうち、浜の温気に吸い込まれるように
すやすやと転寝していたらしくって。
仔猫がお腹空いたと主張したようで、
坊やを抱え、パラソルまで戻って来た七郎次がそれへと気づいて苦笑をし、
御主も起こしての、
ご用意いただいてあったお弁当を広げることとしたのが正午過ぎ。
ここいらで穫れたものか、
小ぶりながらも身の厚い、ふっくら香ばしい開き魚の炙りに、
薄味のレンコンのおかか煮と、
甘辛照り焼き風の味付けの、肉ダンゴとニンジンやキヌサヤとの煮物。
イカの照り焼きに、キュウリと釜揚げシラスの甘酢和え、
芝エビのテンプラまでついており。
小口にむしったの、お口まで運ばれちゃあ、
もむもむ・むにむにと、
ご機嫌そうに目許を細めながら頬張る久蔵の健啖さも心地よく。

 「あ、この浅漬けもいいお味ですね。」

三角おむすび、誰かに作ってもらったのを食べるのは久し振りだと、
七郎次が青い双眸細めて微笑い、
それが勘兵衛には、思わぬ御馳走になってたり。
さんざんはしゃいだせいだろう、
食やすめにとパラソルの陰の下、
砂から うんと高いところを選んでの、
ディレクターズチェアと対になってたデッキテーブルの上へと、
バスタオルを敷いて寝床を作ってやれば。
そこにちょこりとうずくまったそのまま、あっと言う間に寝ついた久蔵で。
潮風が気持ちいいですねと笑った女房殿が見やった先には、
近所の子だろう、
まだ七月だのにもう真っ黒に焼けた坊ややお嬢ちゃんが4、5人ほど、
ビーチサンダルに水着姿、持ち物はバスタオルだけという格好で、
通りの側から斜面を駆け降りて来ており。

 「勘兵衛様も泳いで来られてはいかがです?」

せっかく来たのに触れもしないなんて勿体ないと、
一応は二人とも水着を着ていたところから、そうと勧めて来たものだから。

 「さようか。では、ひとつかり。」
 「…風呂ですか。」

くくと笑い合ってから、ゆったり着ていたシャツを脱げば、
現れたのは、これで四十代半ばというのは嘘だろうという、
屈強頑健、精悍さを漲らせた頼もしい肢体であり。
雄々しい背中を見送って、
久々に…遠目なればこそ全身が拝める勘兵衛の勇姿を堪能しましょと、
こちらはこちらで、彼なりの眼福を飽かず眺めたお兄さんだったりし。
うたた寝仔猫を撫でるのは、優しい潮風と波の音。

 《 あのねあのね? お砂の向こうはお水がいっぱいぱいで。
   それが勝手に、ざざあって、ざぁんって走って来るのよ?
   遊ぼ遊ぼって、おいでおいでって誘いに来ゆのvv 》

お家に帰ったら、そうそう…カンナ村のキュウゾウお兄ちゃんと、
それから黒猫のヒョゴお兄ちゃんにも、いっぱいぱいお話ししなくちゃね。
人魚の櫛みたいってシチがゆってたほね貝は、残念、見つからなかったが。
つゆつゆ(つるつる)の緑の小石と貝殻と、
とっても美味しいだった小アジの開きとカタクチイワシの南蛮漬けと、
お土産に持って帰るからねって。
うたた寝の中、
シチに囁かれて“うんうん”って頷いてた仔猫様だったらしいです。





   〜Fine〜  2010.07.26.〜07.27.


  *仔猫様、海へゆくの巻でございます。
   連日、あまりに暑いので、
   仔猫様をあやしがてらと、島田先生の気分転換も兼ねてのこと。
   なかなか絶妙な穴場の海岸へお出掛けです。
   ややこしい伝説がついてる場所なようですが、
   決してどこやらのお宅の当主と間違えられてのこと、
   恐れられてる訳じゃない……と思いたいです。
(こら)

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